MVNOのギモンを解消!

格安SIMを利用した
iPhoneの使用とテザリング

端末を経由してタブレットやPCをインターネットに接続することのできるテザリング機能。スマートフォンやiPhoneをポケットWi-Fiのように利用できるため、その手軽さから多くの方が利用しています。
3大キャリアでは手軽に利用できるテザリング機能ですが、格安SIMを利用したiPhoneの場合はどのようにすれば良いのでしょうか?格安SIMを利用したiPhoneでのテザリング利用を中心に、その準備方法や、格安SIMの選び方などを解説していきます。

iPhoneで格安SIM?

まず、iPhoneでも手軽に格安SIMを利用することができるというところから確認していきましょう。iPhoneで格安SIMを利用するときの大まかな流れは以下の通りです。

  1. 使用予定の端末を準備する
  2. 格安SIMを申し込む
  3. SIMカードが手に入ったら、初期設定を行い回線開通の確認を行う

上記の行程を踏むことで、格安SIMのiPhoneが使用できるようになりますが、その際には注意事項がいくつかあります。

iPhoneで格安SIMを使うときのポイント

iPhoneで格安SIMを使うときのポイントは主に2つあります。

  • SIMカードの初期設定時にWi-Fi環境があったほうが便利
  • 端末とMVNOの相性に注意する

では、下記で詳しく見ていきます。

SIMカードの初期設定時にWi-Fi環境があったほうが便利

SIMカードを差し込んだ際に行う初期設定時には、Wi-Fi環境があったほうが便利です。モバイル通信でインターネット接続を行うためには、APNの設定が必要で、3大キャリアは購入時に対応してくれますが、格安SIMでは自分で行う必要があります。
APNの設定には、MVNOが準備するプロファイルのインストールを行います。この時にインターネットへ接続しなければいけないため、ネットワーク環境が必要になります。Wi-Fiを使わない方法もありますが、やや煩雑なため、こうした操作に不慣れな方はWi-Fiの使える環境での設定をおすすめします。
格安SIMを購入した際に同梱のマニュアルや、MVNOのサイトでも初期設定方法が案内されている場合がありますので、確認してみてください。

端末とMVNOの相性に注意する

使用する端末とMVNOの相性も注意せねばなりません。iPhoneに格安SIMを挿入し利用することは確かに可能ですが、実はそれぞれの機種により利用可能な格安SIMが異なります。
動作確認済のものは各MVNOのサイトで確認できることが多いです。気になるMVNOが見つかったら、動作確認済の端末をチェックしておきましょう。

どの端末なら使える?今使っている端末でも大丈夫?

iPhoneで格安SIMを利用するときには以下の端末が使用できます。

  • SIMフリーiPhone
  • 3大キャリアと契約し使用していた手持ちのiPhone端末
  • 中古iPhone
  • 2017年7月現在、5s及び5c以降が対応
  • 条件により上記端末でも使用できない場合がありますので、購入・契約の前に、使用予定の端末と格安SIMの組み合わせで使用可能かどうかをよく確認することをおすすめします

SIMフリーiPhoneとは、どのキャリアのSIMを挿入しても利用できるもので、Appleから販売されていて、新品を購入することもできます。手持ちのiPhoneや中古iPhoneも利用できるため、費用を安く抑えたいときには、これらの端末を用意することも検討してみましょう。

手持ちのiPhoneのSIMロックを解除せずに利用するとき

3大キャリアと契約し使用していた手持ちのiPhoneのSIMロックを解除せずに利用する場合は、注意が必要です。格安SIMを提供しているMVNOは、回線を3大キャリアから借りて通信できるようにしていますが、3大キャリアで契約した端末には、同系列の回線しか使用できないようにロックがかけられています(=SIMロック)。
そのため、元キャリアと同系列の回線を使っているMVNOの格安SIMでなければ使用できないのです。たとえば、NTTドコモで購入したiPhoneの場合はドコモ系の格安SIMであれば利用可能ですが、au系の格安SIMは利用できないようになっています。
また、3大キャリアの中でも、ドコモ系とau系であれば、比較的多くのMVNOが扱っているのですが、ソフトバンク系のMVNOは現状では、数が少ないためソフトバンクユーザーは特に注意が必要です。

SIMロック解除の手続き方法や詳しい条件はキャリアごとに異なるため、事前によく確認してください。

中古iPhoneで格安SIMを使う場合のポイント

中古のiPhoneで格安SIMを利用するときは、以下の3つのいずれかの端末から選択するようにしましょう。

  • 元々SIMフリーのiPhone
  • SIMロックが解除されているiPhone(SIMフリー状態になっているiPhone)
  • 3大キャリアから販売されているiPhone
  • iPhoneの世代によっては、動作確認されていないものもあります
  • SIMロックを解除しない場合は、利用できるMVNOが限られます

元からSIMフリーのiPhoneであれば、中古であっても問題なく格安SIMを挿入して使用できるようになります。また、SIMロックが解除されているiPhoneもSIMフリー状態になっているため、そのまま利用可能です。
また、NTTドコモか、auのiPhoneであれば、SIMロックの解除をしていないものでも、利用できるMVNOが多いため、SIMフリーやSIMロックを解除したiPhoneが手に入らないときには選択肢の一つとして検討してみると良いでしょう。

格安SIM×iPhoneテザリング!

格安SIMとiPhone組み合わせによるテザリングの可能・不可能

ドコモ系の格安SIMを使用した場合
可能端末:NTTドコモ版、SIMフリー版、SIMロックを解除したauもしくはソフトバンクで販売されたiPhone6s以降の端末 不可能端末:au・ソフトバンクで販売されたもののうちiPhone6以前の端末
au系の格安SIMを使用した場合
MVNOによって異なる
(SIMフリーの端末を含め、テザリングは一切不可のMVNOと、SIMロックを解除すればテザリング可能になるMVNOがあります。詳しくは各MVNOの動作確認済端末をチェックしてください)
ソフトバンク系の格安SIMを使用した場合
ソフトバンク版iPhoneで、iPhoneの世代が該当していればテザリング利用可能な場合があります

テザリング方法と設定

格安SIMを挿入したiPhoneでのテザリングの利用は、3大キャリアでテザリングをしていたときと同様の設定で問題なく接続できます。LinksMateのSIMカードで利用ができるiPhone端末であれば、テザリングの使用も可能となっています。
接続の方法も、従来のテザリングの方法と全く同じです。iPhoneの設定画面を開き、インターネット共有の設定をオンにすれば、接続先のWi-Fi一覧に表示されます。親機にするiPhoneのインターネット共有がオンになっているのを確認したあと、子機として利用する機器で、接続先に親機のiPhoneを選択して、パスワードを打ち込めば接続完了です。

通信速度とプラン

気になるのがテザリングした際の通信速度です。iPhoneを一度経由するため、iPhoneで測定される速度よりもどうしても低下してしまう傾向にあります。
また、どうしても時間帯の影響を受けて、回線速度が左右されてしまいます。朝や夕方の通勤・通学時など、回線の混雑する時間帯はキャリアと比べて速度が落ちてしまう傾向にあります。
プランについては、数GBごとのデータ容量プランや無制限プランなど、自身の利用頻度やどういった用途でテザリングを行うか考慮し、自身のニーズに合ったものを見つけましょう。
3大キャリアと比較して、事業者数は多いですが、プランは各社シンプルでわかりやすくなっているため、自身のニーズに合うものを見つけることができるのも、格安SIMの強みです。テザリング使用も積極的に行うのであれば、通信速度を重視したプランや速度制限がなるべくないプランなどの契約をおすすめします。

使い勝手は?

使い勝手は、回線速度によっても異なります。テザリングに向いている格安SIMは、回線速度を重視したSIMということになりますが、混雑した時間帯の場合はどうしても速度が落ちてしまうため、3大キャリアのときとは差を感じるかもしれません。
しかし、基本的に、回線が混雑しているとき以外であれば、タブレットでのウェブブラウジングや動画閲覧は、速度も問題なく利用できます。ただし、ネットゲームをPCで行うなど、容量の重いデータをダウンロードするときには注意が必要です。
あくまでもiPhoneはスマートフォンなので、ポケットWi-Fiと比べると、バッテリーの消費もテザリングを行うと激しくなってしまいます。
以上を踏まえた上で、出先での軽めの作業はiPhoneでのテザリング、容量が大きいデータのダウンロードといった重めの作業はWi-Fi環境下で行うなど、作業によって使い分けるのが賢い使用方法です。

iOSのアップデートについて

iPhoneでは定期的にiOSのアップデートがありますが、ここでも注意することがひとつあります。それは、最新バージョンがリリースされ、即座にアップデートするとテザリングだけでなく、格安SIM自体が正常に動作しなくなる可能性がある点です。
最新バージョンのリリース後にはMVNO各社が動作確認を行い、正常に作動したという正式発表がアナウンスされたり、動作確認済一覧が更新されたりするケースもあります。利用しているMVNOでアップデート後の動作確認が報告されているようであれば、その発表があるまではアップデートは待ったほうがよいかもしれません。

ちょっと便利な豆知識

ナビは使える?

格安SIMでも、ナビアプリや地図アプリといったGPSを利用したナビ機能もスムーズに使用できます。
格安SIMのプランによっては、意図的に通信モードを低速モード/高速モードで切り替えられる機能が付いたものもあり、うまく使えば便利なのですが、低速モードのナビは、読み込みがどうしても遅くなる傾向にあるため留意しておきましょう。地図機能やナビを使っていてストレスを感じるときは、高速データ通信状態へ切り替えると良いかもしれません。また、GPSの位置情報を利用したゲームも今まで通り楽しめます。

中古で購入するときのポイントと注意事項

中古のiPhoneは、主に中古スマートフォンショップやAmazon等の通信販売サイトの他、ヤフオク!などのオークションサイトでも購入することができます。中古サイトなどでよく見かけるのが「白ロム」という表記ですが、こちらはSIMカードが抜かれた状態の端末を指し、基本的にはこの「白ロム」端末を購入することとなります。
安価でiPhoneを手に入れられる中古ショップやオークションサイトですが、新品を購入するときには発生しなかったリスクも多々あります。購入前に絶対知っておきたい注意事項を確認しておきましょう。

中古を購入するときの注意事項

<赤ロムに注意!>

赤ロムとは、元の所有者から残債が支払われずに使用制限がかかってしまった端末や不正契約や窃盗など、不正入手されたもの等のことを指します。一度制限がかかってしまうと、電話やインターネットが一切できなくなり、スマホとして機能しなくなります。中古の市場には残債がある状態で出回っている端末もあるため、購入時には細心の注意が必要です。以下の防衛策をしっかり取って購入するようにしましょう。

  • 出品の説明書きをしっかりと読む
  • 販売店の所在地や評価、取り引き履歴や返金保証について確認する
  • 保証書のないものは選ばない
  • トラブル防止のため個人との取り引きを避ける
  • 一括購入済の端末である、または、残債なしであることを確認する

さらに、気になった端末はIMEI番号の確認と照会を行ってみましょう。IMEI番号とは端末本体に振られている番号ですが、こちらを各キャリアのサイトに入力することにより端末の現在の残債やネットワークの状態がわかります。たとえ出品時に「残債なし」と書かれていても、購入前に必ず自身の手で確認作業を行うことが重要です。
出品者の多くは、しっかりとIMEI番号を明記していることが多いですが、万が一ないときには問い合わせ、それでも提示されない場合は、取り引き自体を避けたほうが良いでしょう。

<アクティベーションロックはかかっていないか>

「iPhoneを探す」をオンにしていると、アクティベーションロックという機能が有効になります。この機能は、初期化しても自動解除されず、以前の持ち主のアカウントと関連づいた状態を維持してしまいます。そのため、出品時には、「iPhoneを探す」をオフにしてなければなりませんが、まれに、このアクティベーションロックがかかったまま出品されるものがあります。
その場合、解除には端末と関連づいたAppleIDとパスワードが必要になるため、以前の持ち主に処理をしてもらわなければいけません。こうした対応は、非常に煩雑なため、出品説明のアクティベーションロックに関する説明にしっかりと目を通しましょう。もし記載がない場合は、出品者に質問するなど抜け目なく確認作業を行うことが大切です。

ポイントまとめ

格安SIMとiPhoneを組み合わせるときは、iPhoneの端末の種類によって利用可能な格安SIMカードが異なる場合もあるので、注意が必要です。また、中古の端末を購入する際には、赤ロムでないか、アクティベーションロックがかかっていないかにも気をつけるようにしてください。
さらに、テザリング利用を考えているのならば、格安SIMがテザリング機能付きであることはもちろん、通信速度を重視したプランを申し込むことも大切です。

格安SIMでのiPhoneの利用を考えている場合は、ここでご紹介した点に注意し、検討していきましょう。

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2022年7月8日時点の記事です。一部最新の内容と異なる場合があります。