MVNOのギモンを解消!

格安SIMのデメリット
注意すべき点とその対応策

「月々の携帯電話の利用料金を安くしたい」「手頃な値段でスマートフォンをもう1台持ちたい」「以前使っていたスマートフォンを有効活用したい」そんな希望を叶えてくれるもののひとつが格安SIMです。しかし、格安SIMには良い面ばかりではなく、デメリットも存在します。
購入後に「使いこなしきれなかった」「自分には合わなかった」とならないよう、事前に、デメリットについてもしっかりチェックして、格安SIMが自分に適しているのかを確認しておくのがおすすめです。ここでは、格安SIMのデメリットとその対応策をご紹介します。
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まずは格安SIMの魅力をチェックしてみよう

3大キャリアと比較した格安SIMの魅力

利用料金が安い

格安SIMへの乗り換えを検討する多くの方の大きな動機は、「利用料金の安さ」でしょう。使い方にもよりますが、3大キャリアから格安SIMへ乗り換えた場合、月々の利用料金をそれまでよりも安くできることが多いためです。
格安SIMの「利用料金の安さ」はよく知られていますが、格安SIMのメリットは料金だけではなく、他にもあります。

2年縛りがないことが多い

格安SIMには3大キャリアに存在する、いわゆる「2年縛り」がないことが多いです。2年縛りとは、「2年未満で携帯電話の契約を解除した場合に、高額な契約解除手数料が発生する」というものです。
ただし、MNPを利用する場合やキャンペーンの内容などによっては、最低利用期間が設定されており、期間内の解約に手数料が請求される場合もあるので注意しておきましょう。

端末選びの自由度が高い

端末選びの自由度が高いことも格安SIMのメリットのひとつです。格安SIMは、SIMカードを他の会社の端末で使えないようにする「SIMロック」がかかっていない「SIMフリー端末」や「SIMロックを解除した端末」の中から、好みの端末を選べます。
近年は、SIMフリー端末も種類が増えており、国内メーカー製の高機能な端末や、人気の高いiPhoneも選択可能です。

格安SIMにするとどれくらい安くなる?

多くのMVNOでは、Webサイトの閲覧やメールの送受信、SNSといったインターネットの利用が中心で、音声通話はほとんど行わない場合、月々の利用料金が3大キャリアと比較して数千円程度安くできるプランを出しています。
また、格安SIMは、3大キャリアと同様に、月間のデータ容量(月々に利用可能なデータのサイズ)によって、月額料金が設定されています。ただし、格安SIMによっては特定の動画配信サービスやSNSによるデータ通信をデータ容量にカウントしないものもあるので、使い方によってはデータ容量がワンランク下の料金プランでも問題なく利用できる可能性もあります。
格安SIMに乗り換えることで、スマートフォン利用にかかる月々の費用をどれくらい安くできるかは、利用するMVNOによって異なるため、事前に確認をして比較しておくと良いでしょう。

格安SIMのデメリット

キャリアメールが使えなくなる

格安SIMに乗り換えると、3大キャリアとの契約を解除してしまうため、キャリアメールは使えなくなってしまいます。キャリアメールとは、3大キャリアの携帯電話会社が提供している、△△△@docomo.ne.jpや、□□□@softbank.ne.jpといったメールアドレスのことです。
LINEやFacebookメッセンジャーといった気軽に連絡を取り合えるアプリなどが広く普及している現在では、従来の携帯電話のメール機能を利用する方は少なくなってきましたが、「キャリアメールを利用している」という方もまだまだいらっしゃいます。
このようなキャリアメールのアドレスをメインのメールアドレスとして使ってきた方にとって、キャリアメールが使えなくなるということは、大きなデメリットに感じるでしょう。
対応策として、新たにGmailなどのフリーメールアドレスを取得して、友人・知人に新しいメールアドレスを伝える方法が考えられますが、それでも手間はかかってしまいます。メールアドレスの変更によって、名刺などを作り直さなければならなくなる場合もあるかもしれません。
普段キャリアメールを使用していなくとも、お店などのメルマガに登録しているケースもあるため、格安SIMにするとキャリアメールが使えなくなることは覚えておき、事前に対策をとるようにしましょう。

LINEの年齢認証ができない

今やLINEは多くの方が当たり前のように利用する連絡手段になりました。連絡先を聞かれる際に「メールアドレスを教えて」ではなく、「LINEを交換しよう」と言われるようになった、という方も少なくないでしょう。
格安SIMでもLINE自体は問題なく利用できます。しかし、ほとんどの格安SIMではLINEの年齢認証を行うことができません。
年齢認証とは、LINEを使用する際に行う初期設定において、利用者の年齢を確認される作業のことです。この年齢認証画面では、キャリアのIDやパスワードの入力を求められるのですが、年齢認証システムは、3大キャリアが提供しているサービスのため、基本的には格安SIMのIDやパスワードは、受け付けてもらえません。

年齢認証ができないと困るのは「LINE IDの交換」

年齢認証が完了すると、LINE IDで他のユーザーを検索する「ID検索」ができるようになります。もちろん、年齢認証を行わなくてもLINEを使ったメッセージのやり取りや音声通話は可能ですが、ID検索ができないと友人とLINEIDを交換するときに不便です。
どうしてもID検索など、年齢認証を行うと使用可能になる機能を使用したい場合、以下の方法で対応ができます。

パソコンをお持ちの方 パソコンを持っている場合は、パソコン用のLINEアプリケーションをインストールして、パソコンアプリからID検索を行うことができます。(2017年7月Windows版5.5.1バージョン時点)
メール・SMSを利用する 自分のことを友だちに登録してもらうには、メールやSMSなどで相手に知らせる方法もあります。
(1)「友だち追加」の「招待」から、送信方法(SMSかメール)を選択します。
(2)QRコード情報が入ったURLが記載されたメールが作成されるため、連絡先を伝えたい相手に送信します。
(3)メールを受け取ったユーザーが、記載されているURLをクリックすると、自分のLINE連絡先が相手のLINEに登録され、作業完了となります。
QRコードを表示する 友だちが目の前にいる場合には、メール・SMSを利用するときと同様に、LINE連絡先情報のQRコードを作成し、QRコードを読み取ってもらうことで連絡先を交換することができます。
年齢認証可能な格安SIMを選ぶ 2017年7月時点で、ワイモバイルとLINEモバイルの格安SIMのみ、年齢認証が可能となっています。年齢認証を行いたいときには、これらの格安SIMを選択するようにしましょう。

端末を別途用意する必要がある

格安SIMを利用するときには、「それまで使っていた3大キャリアの端末を、SIMロックを解除して使用する」、「新たに端末を購入して使用する」のどちらかの方法で端末を用意する必要があります。
3大キャリアから格安SIMへ乗り換えるなら、それまで使っていた端末のSIMロックを解除して使用するのも良いでしょう。2015年5月1日以降に販売された端末は、SIMロック解除が義務化されているため、3大キャリアの端末であっても、条件を満たしていればSIMロックの解除が可能です(手数料がかかる場合があります)。利用されているキャリアの条件を確認してください。
一方、近年は格安SIMが使える格安スマホや、SIMフリー端末も数多く販売されています。また、SIMロック解除済みの中古スマートフォンを取り扱っている店も増えています。格安SIMへの乗り換えを機に、いわゆる「ガラケー」から「スマートフォン」へ乗り換えたいときには、上記に挙げた端末の中から自分に合ったものを購入しておきましょう。

格安SIMは料金プランが少ない?

格安SIMによっては、3大キャリアのような豊富な料金プランは用意されていません。これは格安SIMのデメリットのひとつに思えることでしょう。
格安SIMの場合、料金プランは大きく音声通話付きとデータ専用のものの2つに分けられていて、それぞれ、データ容量ごとにプランが区切られています。2つのプランのうち、データ通信に関するプランは比較的充実していますが、通話に関する料金プランは、3大キャリアと比較すれば少なめです。
例えば、3大キャリアにあるような割引プランがなかったり、3大キャリアでよく見かける「音声通話定額プラン」はオプションで付けるものが多かったりと、“3大キャリア”と比較すると料金プランは少ないと言えます。

大事なのはプランの充実度よりも自分に合っているかどうか

3大キャリアの料金プランは確かに数が多く、非常に充実していますが、一方で「料金プランが複雑でわかりにくい」という側面もあります。
利用者にとって、より重要なのは「豊富な料金プランがあるかどうか」ではなく、「自分の用途に合った料金プランがあるかどうか」です。考え方を変えれば、自分の用途に合った料金プランを、さまざまな会社の中から選べるということです。そう考えれば、格安SIMの料金プランが少ないというデメリットはあまり気にする必要のない点だと言えるでしょう。

支払いにはクレジットカードが必要な場合が多い

多くの格安SIMでは、月々の料金支払いにクレジットカードが必要です。ただし、すべての格安SIMがクレジットカード必須というわけではなく、あまり数は多くないものの口座振替による支払いが可能な格安SIMも存在します。
クレジットカードを持っていない、支払いにクレジットカードを使いたくない場合は、口座振替に対応した格安SIMを選ぶようにしましょう。

通話料金は割高

格安SIMの魅力のひとつには利用料金の安さがありますが、通話に関しては必ずしも3大キャリアよりも安いとは限りません。利用しているオプションによって変わりますが、単純な時間あたりの通話料で比較すると、むしろ格安SIMの通話料は割高になる場合があります。
ですが、月額の通話料を定額にするオプションプランを用意している格安SIMもありますので、データ通信だけでなく通話の利用も多いなら、そういった「通話定額」プランを提供している格安SIMを選ぶのがおすすめです。
格安SIMのデータ通信は3大キャリアに比べてリーズナブルなので、格安SIMへの乗り換えを機に、通話にはメッセンジャーアプリなどで無料通話が可能なものを使うようにするのもひとつの手です。

家族間通話無料プランがない

3大キャリアで提供されている、家族間の通話やSMS送受信を無料にするサービスも、ほとんどの格安SIMで提供されていません。一部の格安SIMにおいて、家族間の通話が割引になるプランを提供しているところもありますが、現時点で無料になるものはほとんどありません。メッセンジャーアプリの通話機能などを活用して、できるだけ音声通話を使わないことで、通話料金を抑える方法が有効と考えられます。

端末によっては音声通話ができない

3大キャリアで使っていた端末の、SIMロックを解除して使う場合に気をつけなければいけないのが、「音声通話」の問題です。格安SIMと端末の組み合わせによっては、たとえ音声通話に対応した格安SIMであっても「音声通話ができない」のです。

通話方式によって異なる?音声通話の可否

現在、格安SIMにはNTTドコモの回線を借りてサービスを提供している「ドコモ系」、auの回線を借りてサービスを提供している「au系」、ソフトバンクの回線を借りてサービスを提供している「ソフトバンク系」の、大きく分けて3種類が存在しています。また、音声通話の方式では、NTTドコモとソフトバンクが「W-CDMA」という方式を採用しているのに対して、auが採用しているのは「CDMA2000」という方式を採っています。
このような違いがあるため、たとえば「ドコモ系」の格安SIMを、音声通話の方式が異なるauの端末で使用すると、データ通信は可能でも、音声通話ができない、という問題が発生する恐れがあります。「au系」の格安SIMをNTTドコモの端末で使用する場合も同様です。
このような問題は、3大キャリアのSIMロック解除端末だけでなく、格安SIMと格安スマホやSIMフリーのスマートフォンを組み合わせる場合でも起こる可能性があります。したがって、格安SIMを音声通話にも利用したい場合は、その格安SIMが自分の使いたい端末の採用している音声通話方式に対応しているかどうかについて、各事業者のホームページに公開されている「動作確認済み端末」から事前に調べる等、しっかりと確認するようにしましょう。
これら従来の方式の他に、3大キャリアではLTE回線を利用した「VoLTE」というシステムも広がってきています。音声通話だけでなくビデオ通信も可能で、さらに従来に比べ音声品質も良いとされています。
格安SIMの事業者でもVoLTEに対応したSIMを扱うところが増えてきていますが、利用できるのはVoLTE対応機種同士で、かつVoLTE対応エリア内に限られています。また、キャリアが異なる場合の通話は現時点でVoLTE通話に対応していないため、従来の音声品質になります。

初期設定を自分でやらなければならない

格安SIMは、SIMロックを解除したスマートフォンに挿せばすぐに使える、というわけではありません。データ通信を可能にするには、APN(アクセス・ポイント・ネーム)の設定を行う必要があります。3大キャリアの場合は、購入した時点でこの設定が最初から行われているので、特別な操作は不要ですが、格安SIMの場合はユーザーが自分で設定しなければなりません。
APN設定は、そこまで難しい作業ではないのですが、スマートフォンに不慣れな方にとっては厄介に感じられるでしょう。格安SIMを購入したいけれど、初期設定を自分でできるか不安な場合には、実店舗を持っている事業者や、スタッフが代行してAPN設定を行ってくれる事業者を選ぶのがおすすめです。

格安SIM契約のポイント

格安SIM契約までの流れ

格安SIMを契約する場合、MNP(モバイル・ナンバー・ポータビリティ)を利用して3大キャリアから乗り換えるのか、新規に格安SIMを購入するのか、によって最初の手順が少し異なってきます。
MNPによって他の事業者から格安SIMへ移行する場合は、契約しているキャリアの直営ショップや電話などで、MNPに関する手続きを行ってください。MNPをして新しいSIMの利用を開始できる日=開通日は、事業者によって異なります。利用したい事業者の規定がどうなっているのかを確認してから、手続きを始めるようにしましょう。
以降の手順は、MNPも新規契約も同じです。実店舗やオンラインショップで格安SIMを購入し、必要な手続きを行い、事業者側の開通手続きとユーザーによるAPN設定が完了すれば、格安SIMを利用できるようになります。

格安SIMの契約に必要なものは

格安SIMを購入・契約する場合は、運転免許証やパスポートなどの本人確認書類、料金の支払いに使用するクレジットカード、MNPによる乗り換えの場合はMNP予約番号が必要です。なお、前述したように、口座振替などによる支払いが可能な格安SIMなら、クレジットカードは必要ありません。
そのほか、格安SIMを新規に契約する場合は、契約事務手数料が必要です。契約事務手数料の額は事業者によって異なり、キャンペーンなどを利用すれば契約事務手数料が無料になる場合もあるので、事前に確認しておきましょう。

MNP予約番号の発行手続き

MNPを利用した移行の場合、自分の契約している携帯電話キャリアの店舗または電話窓口で解約手続きを行うとともに、「MNP予約番号」を発行してもらいます。NTTドコモはユーザー向けサイトでのMNP予約番号の発行も可能です。auは、電話・ショップ・My auにて、ソフトバンクは、携帯電話番号ポータビリティ(MNP)お問い合わせ窓口やショップなどで発行手続きができます。
キャリアや手続き方法によっては携帯電話の契約時に設定した4桁の暗証番号が必要な場合もあります。
MNP予約番号の有効期限は15日間なので、その期間内に他の事業者への移転手続きを行ってください。

解約時に気をつけるべきこと

MNPによって格安スマホに乗り換えるということは、それまで契約していた携帯電話事業者を解約するということです。
冒頭で述べたように、3大キャリアはいわゆる「2年縛り」を導入しており、2年間の継続を前提に契約を行った場合、月々の利用料金が割り引かれるのと引き替えに、期間内での解約には契約解除手数料の支払いが求められます。また、たとえ契約から2年が経過していたとしても、2年契約は自動更新されてしまうので、注意が必要です。
もし、携帯電話やスマートフォンを2年契約しているなら、契約更新月のタイミングでMNPを行いましょう。3大キャリアによる2年契約では、契約から24ヵ月経過すると2ヵ月間の契約更新月に入ります。この期間にMNPによる転出を含む解約を行えば、契約解除手数料がかからないというわけです。

ポイントまとめ

格安SIMは、月々の利用料金の安さばかりがクローズアップされがちですが3大キャリアにはないデメリットも存在します。しかし、「格安SIMのデメリット」とされるもののいくつかは、ユーザー側の工夫によって解消できるものもあります。
利用料金が安いからといって安易に飛びつかず、格安SIMのデメリットを知った上で、携帯電話の購入選択肢のひとつに加えてみてはいかがでしょうか。

2017年7月現在の情報です。詳細はサービス提供元をご確認ください。

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